CLIENT OVERVIEW
導入企業
企業
兵庫県尼崎市の建設会社様(ご本人の希望により社名は非公開)
業種・規模
土木(関西電力系の工事などが主軸)/従業員 約30名
支援期間
2025年3月〜現在も継続中
SUMMARY
この事例の要点
TechBullは、この建設会社様に対して2025年3月から「ITツールの販売者」ではなく「経営の隣に座る伴走者」として関わってきました。1年半で支援した領域は8つ。ファイルサーバーの引っ越しから、勤怠・給与、原価管理、請求書の電子化、採用、そして最後にAIまで。
大事なのは、「AIを入れましょう」から始めなかったことです。始まりはいつも、社長と番頭さんが抱える「地べたの困りごと」——シフト表、見積り、採用、共有フォルダ——でした。
WHERE WE STARTED
なぜ「AIから入らなかった」のか
多くの会社が「DXしたい」「AIを使いたい」と言います。しかし現場に入ると、本当の困りごとはもっと手前にあります。最初に社長から挙がった要望は、こういうものでした。
- •今使っている勤怠SaaSのシフト表が使いにくい。勤怠管理を良くしたい
- •見積りを、その都度エクセルで作り直している。データを貯めたい
- •職人と事務員が採れない。求人媒体をどう使えばいいか分からない
- •会社のファイルサーバーを、外からでも見られるようにしたい
- •ベテラン事務員1人に情報が集まっていて、辞められたら引き継げない
TechBullがまず作ったのは、AIの提案書ではありません。社長と番頭さんの要望を、優先度をつけた1枚の台帳にしただけです。支援は、すべてこの台帳から始まりました。
SCOPE
1年半で伴走した8つの領域
| 領域 | やったこと |
|---|---|
| 文書管理 | 社内サーバーを閉じ、クラウドストレージへ全社移行。フォルダ構成と命名規則を標準化 |
| 勤怠・給与 | 勤怠SaaSを比較・選定し、給与計算の専門家と役割分担する体制を設計。承認ルートも整備 |
| 原価管理 | 労務費の計算ロジックを作り直し、「工事ごとにいくら儲かったか」が見える台帳へ |
| 見積・請求 | 請求まわりの電子化SaaSを選定・導入。協力会社への支払書類の手作業をデジタル化 |
| 電子決裁 | 電子印鑑・電子帳簿保存法(電帳法)の要件を整理。「押印文化」の電子化を現実的に設計 |
| 採用 | 求人媒体の運用を代行(実質RPO)。職種別に戦略を立て、社長へ数字で報告 |
| 現場業務 | 関西電力系工事の日報・進捗・写真管理の仕組み化 |
| IT基盤 | Wi-Fi回線の最適化、ビジネスチャット、メール/グループウェアの移行 |
BEFORE / AFTER ①
ファイルサーバー — 判断は「実額の差」で
BEFORE
社内に置いた共有サーバー。外出先から見られない。容量も限界。
TechBullは、大手のグループウェアとクラウドストレージの両方の見積りを取り、実額で並べました。
※ 従業員20名想定での実見積り。差額は月11万円以上。「業務アプリまで作れる」拡張性も検討したが、「総務の学習コストで賄えない」と現実的に見送った。
AFTER
クラウドストレージへ全社移行し、社内サーバーは閉鎖。外出先からファイルが見られるようになり、フォルダ構成と命名規則も標準化。「あの書類どこ?」がなくなりました。
BEFORE / AFTER ②
採用 — 「なんとなく」を「数字」に
BEFORE
求人媒体に載せているが、応募が来ているのか、載せ方が良いのか分からない。感覚で運用していた。
TechBullは求人原稿のリライトから運用まで代行し、社長へ毎回「数字」で報告しました。
掲載文をリライトした結果、「表示は増えたがクリック率が1/3に落ちた。文字を増やしすぎてキーワードが薄まった仮説」——と、うまくいかなかった週もそのまま報告した。
AFTER
採用が「勘」から「毎週の数字を見て打ち手を変えるサイクル(PDCA)」に変わりました。職種別(事務・施工管理・現場作業員)に戦略を分け、自社の魅力の棚卸しまで実施。
BEFORE / AFTER ③
ベンダーとの交渉 — 「御社の代わりに戦う」
バックオフィス系のSaaSを選ぶとき、複数の製品で迷っていました。営業トークだけでは、どちらが本当に自社の業務に合うか分かりません。
TechBullがやったのは、片方の営業が言ったことを、もう片方の営業にぶつけて検証することでした。自社の業務要件(御社ならではの運用)を満たせるかを、経営者の代わりに、対等な目線で1つずつ確認していきました。
導入後も、簡単ではありませんでした。案内されていた機能の提供時期が後ろにずれる、といったことは、SaaS導入では珍しくありません。TechBullはその都度、進捗を追跡し、ベンダーに要望を伝え、「全機能が揃うのを待たず、使える部分から段階的に導入する」折衷案を設計しました。
AND FINALLY, AI
そして最後に、AI
ファイルが整い、勤怠と原価が数字で見え、採用が回り始めて——土台ができた最後に、AIを載せます。
- ✓社内の「知恵袋」AI:共通仕様書や過去の優れた施工計画書を読み込ませ、施工計画書の下書きや、仕様の根拠確認に使う
- ✓ただし「20分で全部完成」とは売りません。AIが6割の下書きを作り、人が仕上げる。全自動は、若手が育つ機会を奪うからです
AIは、最初に入れる魔法ではなく、整った土台の上に最後に載せる屋根。
これがTechBullの考え方です。
WHAT REALLY MATTERED
この1年半で、本当に効いたもの
ツールは15種類以上を比較し、8つを導入しました。しかし、社長が「これで会社が変わった」と感じたのは、個々のツールではありませんでした。
組織の「記憶装置」ができたこと
議事録・ツール検討・要望・採用の記録が1か所に貯まり、「あの人しか知らない」が減った。
隣で一緒に戦ってくれる人がいたこと
ベンダーと交渉し、数字で報告し、次の一手を一緒に決める伴走者。
これが、TechBullが提供する「AI経営右腕」です。